干からびたトカゲのしっぽ

日々遺されて乾いていく

ケツと鼻に管を突っ込まれた挙句クローン病とか言われた話

 ”人間は一本の管に過ぎない”

 

そんな言葉をどこかで聞いたような気がする

 

ぼくは管の出口から盛大に液体を流しながら、どこで聞いた言葉だったのかトイレの中で思い出そうとしている。

 

 

 

前回ブログからかなり間が明いてしまったが、ケツについていろいろ進展があった。

ありすぎた。

最近またイボが大きくなってきている気さえする。

 

要約するとイボの根本的な原因は多分ケツじゃなくて消化管だよ、という話なのだが。

 

前回のおじいさん👴に根源の渦をほじくられて悲鳴を上げた3週間後、こういった連続する切れ痔の背景にはIBDなどの疾患があるかもしれないと、教科書通りな流れで大腸ファイバーを受けるハメになったのだった。

 

とにかくこの大腸ファイバー、非常に面倒なことこの上ない検査であり

前日の食事制限、前日夜からの下剤の服用、当日の絶飲食と事前準備がやたら多い。

 

その上最後の準備として2リットルもの下剤を渡され、15分おきにコップ1杯のペースで飲んでくださいと言われる。

 

ズボラなぼくはペース配分が上手くいってないのだろうか、15分おきにリポップする看護師に何度も注意されながら、その微妙な味の液体を胃袋に流し込んでいく。

 

ちなみに前処理で飲まされるその下剤は看護師だった母曰く「はっきり言って不味い」

「途中で味変しないと飲めないレベル」だったらしいが別に普通に飲める味だった。

 

例えるなら塩っ辛い梅ジュースだろうか、話を聞いてみると数年前に新製品に変わったらしい。

「AZIHEN カンフーレボリューションよ…(CV 一般男性)」とか言いながら不味い液体を飲むつもりだったのに…また話のネタが減ったじゃないか。

 

そしてこの液体を飲んでいると何度も排便することになるのだが、排便のたびに排泄物を看護師に見られるのだ。完全に液体しか出てこなくなるまで何度も。

 

始めの1回は「なんだか特殊性癖のお店みたいだぁ」なんて思っていたが、2回目以降はただの作業になってくる。

だって看護師の方がおばt………

 

もう穴という穴から液体しか出ない身体に改造されたぼくは、ケツだけ穴の開いた紙パンツなどというあぶない水着の最上位版を装備して検査台に横たわることとなった。

 

ん…?

当然のように無麻酔で検査進められていったけど何だかおなかが張ってくる。

始めは違和感程度でも極端に張ってくるとマジで痛い。

痛い、イタイイタイイタイもう限界っすちょっと待って───────

東○オ○エアの動画だと麻酔かけてたのに…

 

そんなこんなで朦朧としながらモニターを眺めていた。

”粘膜上皮に痛覚は無い”ということを何よりもハッキリ学べる実習だった。

まぁ内視鏡入れるのだから生検はする、それは良いんだ。

 

具体的に何をするのかというとワニ口のワイヤーメモ

 

これみたいなもので腸の表面を”掴んで、引きちぎる”もちろん出血する

イヌの内視鏡検査のたびに痛くないのかこれ?と思っていたが、引きちぎられる側に回ると全く感覚は無かった。

というか想像より病変部が少ない。

教科書に載せられないレベルの小さい潰瘍病変が何個かあるだけ。

ポリープも無い、玉石状にもなってない、そのままスムーズに検査が終わる。

 

検査結果は後日ということで、そのままふらつきながら、そして盛大に屁を出しまくりながら家へと戻る。

特に何も無さそうだが、あの苦しみと6000円程の費用に見合うだけの価値があの検査にあったのだろうか?

 

ある意味”安心感”を売っている獣医師として気になってしまうのだが、どうしても30を目の前にした独身男性の健康に対する安心感を得るためにここまでのコストを払う気になれない自分がいた。

もういいよどうせストレスと深酒が原因なんだからさぁ…

独身男性の寿命が短いのは健康に気を付ける外部要因が無いからだろうな…

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スナックバス江 6巻

たぶんいずれこうなる、というかなりかけた。

 

そんなワケで大した結果じゃねぇだろと高をくくって結果を聞きに行ったら予想外の診断を受けるハメになるのであった。

 

 

 

 

 

 

初期ではあるがクローン病っぽいとのこと

 

は?クローン病?難病指定の奴じゃん

 

どうにも病変部が奥まった部分、つまり小腸の付近に存在することと病理検査の結果

肉芽腫を潰瘍周囲の粘膜組織に含んでいるっぽいとのこと。 夕立かよ

肉芽腫が何かという細かい説明は、もう病理学の細かいところは記憶の彼方に行ってしまったので今回はスルー

診断基準的に、もしこの状態に診断名をつけるならクローン病とのこと。

 

ぼくとしては、大量のパンフレットを持ち出し高額医療費制度の説明をする担当の先生を冷めた気持ちで相手にしていた。

だって職場で便の回数が多くて下痢で切れ痔なだけだぜ?生活に支障ないもの、と半ば失礼なことを考えながら先生の説明を聞く。

いつの間にやら、胃カメラと消化管造影検査の予約まであれよあれよと埋まっていく。

消化管を全部検査すれば高額医療費の申請をできるらしい。

嫌なコンプリートトロフィーだなオイ

 

”これ点数稼ぎに使われてない?”そんなことを考えていた。

思い返してみると本当に失礼な奴だなぼくは。

 

そうしてアレルギー性鼻炎持ちに対する拷問(経鼻カテーテルともいう)を2度経験し、この世の地獄を味わいつくした後

「いや、こんな軽傷で高額医療費の申請通らねぇだろ…」とキレイな胃と十二指腸を思い出しながらまた家に帰るのだった。造影検査の結果は後日。

 

そうして造影検査の結果の再診日の近くで異変が起こる。

 

休日だが朝から頭が痛い、それはいい、どうせ二日酔いだから。

しかし痛すぎる、寒気もするし倦怠感が酷い。

それでもどうせ二日酔いだから思いきり水を飲んで昼過ぎまで2度寝を慣行した。

 

しかし治らない、そもそも酔いが回るのが速くて昨日はたいして飲んでいない。

あまりに不自然なので体温を測ると38.5℃ある。

大学入ってから調子悪い日でも熱発だけはしなかったぼくが熱発している。

しかも高熱、なんだこれは?喉の痛みも、鼻水も無いぞ?

 

そんなこんなで3日間38℃台の高熱は収まらず、ロキソニンを飲んでごまかしながら生活していた。

当然仕事も行けるはずもなく、有給を消化しながら熱が引くのを待っていた。

というかこれでも大学卒業してから有給取得した日数は10日も無い気がする。

 

あまりに熱が引かないのでフラフラになりながらなんとか、最寄りのクリニックで検査してもらった。当然コロナ疑いなので隔離。

結果はコロナ陰性、インフルも陰性。

ならいったいこれは何なのか?

 

ここまできてようやくクローン病による発熱の可能性に気づくぼく。

そう考えると同時に感じていた腹部の違和感というか鈍痛にも納得がいく。

つくづく自分の臨床的なセンスのなさに呆れる、はやく転職しないと…

 

発熱から4日経って頭痛、高熱も治まった今こうして記事を書いているが、これがクローン病の発熱ならこれから先の人生困ることばかりになる。

ここまで熱発する持病なんてあったら働ける職場も職種も制限されるぞ。

 

 

なんだか近い知り合いは続々結婚していくし、正月凛世は盛大に爆死するし

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270連までピックアップ無し!

転職しようにも実家の人手不足はそのままだし、なんだか未来に希望が持てない。

多分体調を崩すたびに人肌恋しくなっていくんだろうな、今回は心も弱っていくのを特に実感した。

 

冒頭の言葉の元ネタは週刊文春』に連載していた「山口瞳のマジメ相談室」1967年7月10日号だったそうな、とこで目にしたんだろう。