干からびたトカゲのしっぽ

日々遺されて乾いていく

終のステラをプレイして泣く男

シナリオ:田中ロミオ Key制作の新作ADVである”終のステラ”のプレイの感想である。

 

本作は選択肢の存在しない、ゲームというよりはまさしくビジュアルノベルで、7時間程度で読み終わる可処分時間の少ない令和の人間にも配慮が行き届いた良いゲームだった。

ちなみに田中ロミオ先生の作品は”AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜”しか読んだことないが、中二病をモチーフとして描くボーイミーツガールとしては間違いなく傑作だった。

 

とにかく

 

ごちゃごちゃと感想を考える前に、EDでぼくは泣いてしまった。

 

そもそも何かを鑑賞して感動することはあっても泣くことは滅多にないハズなのだが

この物語の終わりに涙を流してしまった。

なにが自分の琴線に触れたのか本当に分からないままこの文章を書き散らしている。

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巨大な組織がぼくを働かせまいとしている

リコリス・リコイルが終わってしまった…

 

今更11~13話をまとめて観たのだが、もう最高に”面白くて可愛い”アニメだった。

このB級アクションバディ・ムービーに美少女の皮をかぶせたようなアニメは、それ以上の小難しい考察や評論をするのがバカバカしくなるような勢いを視聴者に感じさせてくれる。

  • 「孤児を育てて治安維持の為の殺人エージェント(リコリス)にする体制側の組織」
  • 「情報統制が敷かれていて、リコリスたちは人知れず消耗され、その上で安寧を無自覚に享受する市民たち」
  • ジョン・ウィックで有名なC・A・Rシステムを前面に押し出した骨太のガンアクション」
  • 「手段を選ばない無鉄砲さで本部を追放されたエリート(?)と半ば隠居しているベテランのバディ(2人とも当然美少女)」

リー○ル・ウェポン、セ○ン?

そんなボンクラオタクの好きそうなものを過積載してスタートしたリコリス・リコイル、このマシマシっぷりにどのように進んでいくのか楽しみにしていたが、思いのほか

社会の描き方が雑だった。

明らかに打倒されるべきディストピアじみた社会に少女たちが反抗していく物語なのかと思いきや、美少女同士の心の交流を描くには社会などという大きな視点はノイズでしかないのだろう、社会の描き方は突っ込みどころだらけである。

個人的に一番笑ったのは

いや、そうはならんやろ

ヘイローの浮かんでない女の子は撃っちゃダメだろ(頭キヴォトス)

 

そんなわけで千束とたきなの関係から離れるといろいろガバガバになる本作だが、別に作品がつまらないとかそんなことは感じない。

 

むしろガバガバな社会と反比例して、千束とたきなが親密になっていく描写が繊細かつ濃密に描かれていく為、見るべきポイントがはっきりして心地よいのだ。

 

さかなあぁ~(北斗のげんこつ)を皮切りに戻ることしか興味のなかったたきなが千束という胸のでかくて距離感の近い銃弾を避ける美少女にハマっていく。

スカートをめくりめくられ、胸を触り、デートして下着を買いに行き、いろいろあって余命幾ばくも無いことを知らされ、そんな千束の為にあれだけ戻りたがっていた本部に戻ることすら投げ出す狂犬たきな。

 

もうこれはしょうがない、ぼくも視聴者としてこの上質な百合を最後まで楽しませてもらった。

 

千束に狂わされたホモのおっさん達の気持ち分かるよ、あんないい子を近くで見続けたらそりゃぁ崇拝したくもなるし、そんな子に殺されて一生忘れられない傷になりたいもの。

 

とにかく見せたいものがはっきりしていてそれが上質であれば社会の描き方など適当で良い、よいハズなのに、同じく社会の描き方がガバガバなのにはっきり「クソだな」と思ったアニメを最近見たような…

 

そうだ、竜とそばかすの姫だ

 

ポストジブリとしての地位を築きつつある細田守監督の劇場アニメである。

このアニメ、とにかく音楽と映像美がハイレベルで、冒頭の仮想空間”U”の紹介から主人公のライブシーンまでだけでも劇場に足を運ぶ価値はあるのではないかと思う(まぁ自分は金ローで話題になったから見たクチなんだが)

millennium paradeの主題歌が最高でprime musicで聞きまくっていたのだが、劇中で使用されていた曲であることを今回初めて知った。

この音楽と映像が素晴らしいだけに、本当に脚本のどうしようもなさが際立ってしょうがない。

 

まず第一に主人公のベルが何を考えてるのが終始よくわからない、なぜ仮想世界で迷惑プレイヤーでしかない竜のリアルを気にしなければならないのか、なぜラストに単身で虐待されている兄弟を助けに向かうのか、本当に共感できる部分がストーリーの都合上なのだろうが全くわからない。

さらに母親の自己犠牲と対比になるように終盤の展開が用意されているのは良く分かるが、いまどきネットで素顔を晒す行為を、激流に入って子供を助ける行為と並べるのはどうなのか?

細田守監督自身が優秀な演出家だからこそ、セリフの外の意図は伝わるが、脚本の突っ込みどころのせいで全く頭に入ってこない。

散々ネット上でも非難されているラストの児童相談所の48時間ルールもそうだが、どうにもサマーウォーズの頃から、公権力自体を否定するかのような描写が気になって仕方がない。

適当な野犬(おおかみこどもの父親)の回収にせよ、適当にワッパを掛ける警官にせよ、現実の日本を舞台にしているならもう少し表現のしようがあるのではないか。

ぼくの親父は元公務員だし、友人達にも公務員として働いている者がいて、彼らの苦労を知る人間としては細田守監督の描写は容認できるものでは無い。

 

ハイレベルな作画とぼくらをとりまく社会の描写がガッバガバなのは変わらない二作だが、リアリティラインの下げ方の思いきりと、何よりキャラクターの魅力でここまで評価が変わるものなのかと記事を書いていて思った。

 

そしてぼくも公権力の行使をするべく適当な自治体に履歴書等を送ってみたが返信が来ない。

適当に書いた志望動機と職務経歴書がまずかったのか、証明写真をワイシャツっぽい私服で撮らざるを得なかったからなのか、それとも政府と結託している裏の組織に情報統制が敷かれているから合否通知が届かないのか、すべては闇の中である。

ブルアカのイベントストーリーに情緒が破壊される

ブルアカのプレイヤーレベルもようやく57に到達した。

 

想像以上にこのゲームはやることが無い

 

ある程度メインの任務を進めるとマジでやることが無くなってくる

 

キャラクターのレベルが重要な上にプレイヤーレベルがその上限になる仕様上、スタミナ回復アイテムをがぶ飲みしてレベリング…が定石だがそんな回復アイテムも1日ごとの個数制限があるから、日数をかけないとレベル上限すら上がらない。

 

おかげで毎日回復するリソースで徐々に成長素材をやりくりする作りになってる。

コイツを盆栽に例えたひとは賢い。

ゲームとは?と概念的な問いを投げかけたくなるほど、日数の経過に対してプレイ時間(ゲームプレイへの情熱)は無力である。

 

そんなブルアカの新イベント

 

このイベントで登場するNPC(血涙)の宇沢レイサという女生徒がぼくの情緒を破壊してきたのだ。

皆さん!間違いなく!このゲームは学園×青春×物語RPGです!!!!

上記の画像でなんか実在するショットガン見えてるけど…

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先生であることから逃れられない自分と脱走するクレステッドゲッコー

フルタイムでの労働を辞めて1ヵ月、体調も落ち着いてきた。

 

半年かけてようやくCRPの値も正常値になったし、意味不明なめまい、下痢腹痛もなりを潜めてきた。

労働がいかに人体にとって有害であるかを改めて実感している。

 

もう先生と呼ばれる仕事なんてやりたくない。

 

そもそも仕事なんてしたくない。でもお金がないと生きていけないからindeedを眺めながらため息ばかりついている。

 

しかし何の因果かここ1ヵ月は”先生”としての仕事ばかりしている。

 

そう───数千もの学園から構成される巨大学園都市”キヴォトス”で────────

 

 

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崩れ行くボクノ・カラダと永遠の病(ノ)クローン病の話

前回の記事から2か月経った。

 

どうにも体の調子が良くない。

ここ1ヵ月常に体調が悪い。

下痢腹痛はともかく、頭痛、倦怠感が本当にひどい。

どれだけ寝ても体が重いし、朝ベッドから起き上がるのがつらい。

常に徹夜明けの疲れが額の前に浮かんでいる。

そしてとにかく体力が無くなった。

 

徒歩5分が辛い。部屋の掃除がしんどい。体を動かすのが本当にキツイ。

 

担当の先生曰く、全身症状を直接抑える薬出してないからねぇ…とのこと。

 

確かに。

 

ペンタサ1000㎎とゼンタコートに加えて職場からパクれる程度の消化管潰瘍の薬たちしか飲んでいないから全身症状が残るのもしょうがないのか?

というかこれペンタサの副作用なのか?

一応CRPは1以下にまで落ちたんだがなぁ…

 

まぁどちらにせよ炎症が酷いと倦怠感も関節炎も微熱も出るからどちらにせよ避けられない宿命(さだめ)なのだろう。

 

そんなこんなで最近はまともに働けていない。

ルーチンワークや”成長しない”診療がもう精いっぱいなレベルまで体力が落ちているのを実感する。

発症する前の4分の1か?

ぼくはいつバジリスクに呪殺されたんだ?

 

調子の悪い日はオペ室に段ボール敷いて横たわっている。

 

実家でなければとっくに辞めて療養生活してるだろう。

4、5月はフィラリア、ワクチンの繁忙期に加えて、人手不足のせいでこんな状態でも働かされている。

 

どうにも細かい作業をしていると頭痛がしてくる。手の感覚が以前より鈍い。

 

我が家は犬猫以外の動物、所謂エキゾチックアニマルが患者の多くを占める。

ああいった連中は飼育環境と消化管、そして歯の問題が宿命的に多い。

 

そうなると人の手で爪や歯や嘴を調整する訳だが、犬猫と違って専用の道具があるわけではない。

そもそもぼく愛用の道具もプラモ用のアンクルニッパーだ。

 

そんな物で暴れる連中を押さえつけて、隙をついて数ミリの調節をするのが日常業務になっている。

体長から考えるとガッツのドラゴンころしで髭を剃るような仕事だ。

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この体調では暴れる小動物の隙をついて歯の調節をするのが怖い。いつか飼い主の前で殺すことになっても不思議じゃない。

 

もう限界だ、実家がどうなろうか知ったことか。

ぼくは臨床を辞める。

自分より鳥を診れる獣医師は近隣に存在しないだろうが、同僚にも親父にも基礎は教え込んでるし何とかなるだろう。

 

とにかく仕事を辞めたい、仕事は体に悪い。

でも仕事をしないと食っていけない。

 

そうだ、転職しよう。

 

テレワークみたいに家から出なくて給料のもらえる

そんな夢のような、魔法のような仕事がしたい。

 

 

 

というか魔法とか使える職業がいいな…

 

 

 

 

そんなわけで

祝!エルデンリング発売!

 

 

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ケツと鼻に管を突っ込まれた挙句クローン病とか言われた話

 ”人間は一本の管に過ぎない”

 

そんな言葉をどこかで聞いたような気がする

 

ぼくは管の出口から盛大に液体を流しながら、どこで聞いた言葉だったのかトイレの中で思い出そうとしている。

 

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月姫リメイクと尻

前回の記事からだいぶん時間が経ってしまった。

 

最近になってリメイク版月姫月姫 -A piece of blue glass moon-”をようやくクリアすることができたのだが、学生時代に予感していた通り、社会人になってしまうと時間と気力の問題でまともにADVできなくなることを恐ろしく実感した。

 

この月姫というコンテンツ自体、メルブラと漫画の真月譚くらいでしか知らず、リメイク前の月姫自体は全く知らない状態だったけれど、とにかく感想としては

「シエル先輩超かわいい」だった。

 

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かわいい

ここから先は月姫 -A piece of blue glass moon-のネタバレありきで書き散らします

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