カリギュラ2感想 め゛く゛る゛さ゛ん゛か゛世゛界゛を゛ふ゛っ゛壊゛そ゛う゛と゛し゛て゛ま゛す゛!!!
カリギュラ2を先日クリアした。
これは現代ジュブナイルRPGの傑作と言っても過言じゃないだろう、少なくともそう思えるくらい個人的には最高のゲームだった。
あとSwitchって良いハードだな、寝てもプレイできるから腰に優しい。
近況
全く関係ないが、ぼくは一人暮らしを始めて10年近くになる。
この前初めて2か月に渡る電気代の請求に気づかずに契約を解除されてしまった。
何枚も督促状が来ていたらしいが、就職したおかげで悪化した出不精とズボラさによって全てゴミ箱に流れていったようだ。
平日の昼間に作業着を着たオッサンがチャイムを鳴らすものだからなんだろうと思ったが、まさか「オタク5月の電気代滞納してるから解約して電気止めるね」なんて言われるとは…
(多分)6,7月の料金は支払っているのに…
一応コロナのこともあるから今すぐ電気止める訳じゃないけど、すぐにどっかの電力会社と契約してねと言い残してオッサンは去っていった。
すぐに滞納分を支払い、再契約することに成功したが自分の不注意っぷりに流石に落ち込む。
いよいよもってぼくも社会福祉の対象になりかねないのだろうか、しかしそんな公共料金すら払い忘れるダメ人間にも社会は優しかった。
そんなダメ人間への優しさに満ちたRPG「Caligula2」について書こうと思う。
一部ネタバレ注意です、というかネタバレなしだと
「微妙なグラフィックと変な戦闘システムとBGMの出来がいいだけのRPG」
でしかなくなってしまうと思う
前作
シリーズの1作目である無印のカリギュラが発売されたのが2016年、それから完全版的な立ち位置のカリギュラOD(オーバードーズ)が発売されたのが2018年だった。
ODしかプレイしていないので、ネット上に残る「モブ500人それぞれの精神病理を暴く苦行に近いサブクエスト」や「無限に援軍がやってくるテンポ最悪な雑魚戦」は知らないのだが、改善されたゲームシステムを別にしても尖りきったキャラクターとシナリオは印象に残る良いゲームだった。
……改善されてもあのサブクエは十分クソだったわ。
しかし、あくまで他人に勧められるようなものでなく”劇薬”のようなゲームだった。
何せ現代病理をテーマにしているだけあって、仲間でさえ、30歳ニートやシングルマザー、犯罪者などなど、現実から逃避してきたダメ人間だらけの仮想世界を舞台にしている。
主人公にも決まった過去など無く、ただ現実逃避したかった故に仮想世界「メビウス」に囚われた一般人でしかない。
ただ現実に帰る目的が一致しているだけで主義主張も正義も無い集団が、原因ではあるが悪意のない歌姫を殺そうとするストーリーのアクの強さよ。
そこに追加で敵側と味方側をコウモリの様に行き来する楽士ルートの存在
簡単に言うと
これを実際にやって、杉本、土方、鶴見少中尉達を皆殺しにして北海道を去るルート
ラストのμのね、悲痛なセリフがもう最っ高なんですよ。まさしく愉悦。
いくら楽士のキャラが薄くて、単純な構造のストーリーだからってこんなルートを増築するスタッフに人の心は無いのか。
ここまで踏まえるとカリギュラODはほとんど毒物に近いゲームだったと言える。
よく続編を出せたな…
カリギュラ2をクリアして
前回の記事の時点でラストダンジョンだったのだが、終盤の展開、ラスボスの正体などに賛否別れる出来だったのは認める。
ぼく個人としては、仲間と力を合わせて世界の危機や、悪意や大儀を持った相手と戦うなんて動機にあまり乗り切れない人間なので、あの敗戦処理としか言いようのないラスボス戦もアリかなと思ってしまう。
ハンロンの剃刀という言葉を知っているだろうか?
類似の表現はいろいろあるが、世の中の混乱を生むような出来事は誰かの悪意から生じるものよりも、誰かの無能や怠慢から生じることの方がずっと多いというものだ。
カリギュラ2では、親子間のコミュニケーションの失敗を発端にあんな騒動になってしまったというラストの展開に「この振り上げた拳はどこに叩きつければいいのだろう」となんとも言えない気持ちになったプレイヤーも多かったはずだ。
しかし、現実において大勢で振り上げた拳を叩きつけるだけの理由があるシチュレーションなんてそうそう存在しないんじゃないだろうか?
現実を舞台背景にするこの作品ではむしろ”カリギュラらしい”着地点なのではないか
悪意あるラスボスなんてそこにはいなくて、無能による失敗の結果があるだけ。
誰に対しても優しさが垣間見えるいいシナリオだったと思う。
音楽
ダンジョンのBGMではインストとして流れ、戦闘に入るとシームレスにVo付きに切り替わる演出は健在。
楽曲も初めに聞くこととなる”永遠の銀”(コンポーサー kemu(堀江晶太))から激しくも切ない曲調と歌詞で、ゲームにぐいぐい引き込まれる素晴らしい出来になっている。
前作ではピーターパンシンドロームだったんだけど、戦闘BGMとすると穏やかすぎるし、続く2つ目はえらいファンシーな曲だったのもあってあまりゲームのBGMとしては引きが弱かった感じが否めなかったが大きく改善されていると言っていいだろう。
何より嬉しいのはしっかりフルで聴けるようになったことだろう。
同時に背景に”歌詞入りのそれっぽいPV”が流れるのもボカロ文化へのリスペクトが感じられる改善だと思う。
個人的には、件の”ミス・コンダクタ”が一番好き。
ゴリゴリのボカロ曲らしいハイテンポに畳みかける曲自体もそうだけど、楽士のキャラクターの背景までうまく取り入れた歌唱が本当に見事という他ない。
戦闘
どうせいろんな媒介で紹介されてるし、てきとうでいいや
前作よりストレスなく遊べます!!!!たのしい!!!
よし!なんかてきとうにこの辺で!!!
キャラクター
ここから先は特にネタバレ注意!!!
敵味方どのキャラも立っているんだけど、特に味方で好きなのはポッポ先輩こと風祭小鳩と駒村二胡ちゃん。
ポッポ先輩に関してはかなり早い段階で心の闇に踏み込むことになるのだが、明かされる現実の境遇がまぁ悲惨というか不運というか…
前作の騒動に巻き込まれた後悔によって今作にも巻き込まれた結果、高校生からの5年を記憶すら無くして棒に振り、箸にも棒にも掛からない人生を歩んで、また仮想世界に囚われてしまっている。
前作の兄貴分(30歳ひきこもりニート)より下手したら悲惨な経過なのに、あれだけ前向きになれるのすげぇよ…
高校生が目を覚ましたらいきなり職歴なしの20代半ばになっているなんて想像しただけで寒気がするし、人生諦めると思う。
重要なネタバレだからあまり書けないけど、普段は女好きの3枚目的な扱われ方を味方からされているが、ある局面では言われずとも憎まれ役を買って出る漢気。
口では卑下してても前向きに現実に帰った後のために資格勉強とかしているのが明らかになるし、一番どうしようもない現実に帰ることになる味方なんだけど報われてほしいと願わずにはいられない。
そしてニコちゃん、バフ技が最強。
明るく元気ハツラツな後輩キャラでCV河野ひより
ん?CV河野ひより
シャニマスじゃん
実際PVの時点で「果穂ちゃんじゃん!」とひとり盛り上がっていたし、プレイしていても「果穂ちゃんの声だわ」だったのだが、進んでいくと”明らかに陽気な薄皮一枚の下に歪みを抱えた少女”の声に変わっていく。声優ってすごい。
キャラクターエピソードでは多分今作で1番歪んだ内面を見せつけられることになる。
果穂ちゃんの声がきこえるのに、SHHisのコミュでも読んでいるんじゃないかと思うほど緊張感に満ちた会話で頭がバグっていく。助けて放クラのみんな…
敵キャラである楽士もしっかりとストーリーの中で役割があって、クリア後には現実に見切りをつけた理由も明かされる様になっている。
特にドクトルはまぁ…自分の担当患者に何年もかけてオペ勧めて、失敗しました、もう歩けませんだもんなぁ…個人的に共感できるし不憫すぎる。
ぼくだって動物相手だし経験は浅いが、自分でメスを握ったことのある人間だ。
どんな結果でも執刀医はその責任を負うことになる。
骨や神経を触る症例なら立てないという結果は猶更自分の腕の責任だろう。
想像するだけで視界は歪むし胃が痛くなる、その上当の患者が自分を責めないなら間違いなく満足に眠れなくなる。
仕事への後悔で既にぼくは酒に頼らないと眠れなくなってきている。
そして何よりプレイヤーの印象に残るのは、課長・小夜子・家永の三人だ。
え?公式HPにそんな敵キャラいない?とにかくカリギュラ2をプレイするんだ。
それくらいインパクトの強い展開だし、ネタにされてもしょうがない程度には本当にダメな大人ばかりなんだ。
2週目以降は冒頭からニヤニヤしてしまうし、周回プレイでこんな気持ちになるRPGはなかなか無いだろう。
自分の人生を後悔できる程度には成熟したキャラ達が織りなすストーリーは、表面上では○○○○(ピー)シリーズのような学園ジュブナイルものだが、学園を通り過ぎてしまって久しいぼくたちのような人間にも刺さる素晴らしい出来になっていると思う。
おわりに
この記事を書き始めて気付いたんだけど、キィのCV…
めぐるじゃん!!
散々本編で声聞いたし、特典サントラのキィVerの楽曲もヘビロテしてるのに!!
めぐるのソロ曲みたいなもんじゃん、実質シャニマスだろコレ
もう自分の耳を切り落としたくなった
チエルアルコ100回読んできます…
とにかく、この記事で伝えたいことはただ一つ
サントラを!!
早く!!!
出してくれ!!!!