干からびたトカゲのしっぽ

日々遺されて乾いていく

オイラは第二新卒…?

獣医師として働き始めてからほぼ1年、未だクビになっていない。

 

いつもこの書き出しだが、やはり会社都合で辞めようなどと虫のいいことを考えるからクビにならないのだ。自分から動かない者は何も得られないのが世の常。

 

だからぼくは5月で病院を辞めることにした。

 

辞めて実家に戻る。

 

理由はいろいろあるが、恐ろしい程の仕事へのモチベーションの低さ、両親の体調不良

そして実家の動物病院のスタッフの減少が重なり今の病院を辞めることにした。

 

もうこれで院長の監視のもと、自分でも”いらんよなコレ…”と思う予防医療を勧めなくてもいいのだ、そういう仕事だと割り切っても嫌なことは嫌だ。

 

つくづく社会人の適性がない。

 

もう少し家族の要求をつっぱねて今どきの一次診療を学んでも良かったが、数か月振りの二連休なのに不安と不満で布団から出られなかった日に退職を決めた。

 

そして1年働いて気づいたが、そこまでぼくは動物が好きな訳ではなかった。

 

ぼくは同僚のように、治療に対して不真面目な飼い主に義憤を覚えるようなことも無く、動物の負担よりも飼い主の負担ばかり考えて治療をしているのだ、これでは病院としては儲けが少なくて仕方がないんだろう。

 

何より動物を治すという行為は、ただの仕事では収まらないやりがいや達成感のある素晴らしい仕事なのだろうと思う。

 

いや思っていた。

 

実際なってみると、ぼくはそんな形而上学的な概念とはほとんど無縁な人間で、担当した動物の状態がよくなっても大した感慨も無い。

 

自分に牙を向け爪を立てるような獣たちに慈悲の心を持てるような聖人ではなかった。

 

口では動物の快方を飼い主に伝え、喜んでいるが、頭に浮かぶのは帰った後のわずかな時間に消化できるゲームや映画のことだ。

 

今ならFateZeroの言峰神父の気持ちがわかる気がする、聖職者の家庭に生まれ、そうなった癖に人の苦しみや痛みでしか生の実感を得られないってこんな気持ちだったのだろうか。

 

実際そんな状態で、昼まで寝られる休日は年間80日もないだろうこの仕事にしがみつくのはバカバカしくなった。だからぼくは仕事を辞めようと思う。

 

なんでこんな記事を書くのかというとこんなぼくを雇ってくれた院長(人を見る目ねぇな…)への懺悔でしかない。

 

 

 

あともう一つあったheaven's feel第3章劇場公開まであと6日!!!

言峰神父の洗礼詠唱が映像化するの超楽しみにしてます!

都合よく半休だったから絶対公開日に行くぞ!!